【不動産奮闘記5】宅建協会支部へ話し合いに行く

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【不動産奮闘記1】雨漏りの瑕疵担保責任と宅建業法40条

【不動産奮闘記2】売主業者に雨漏りの修理代金を請求する

【不動産奮闘記3】宅建協会へ相談にいく

【不動産奮闘記4】宅建協会の弁護士相談へ行く

 

宅建協会千葉県本部から作成するように指示された経過説明書は郵送で発送しました。発送から1週間経ち、本部からの連絡を待っていますが一向に連絡がありません。

 

普通郵便で発送したので郵便事故の可能性も考えられます。確認の為、自分から本部に電話をしてみました。すると、郵便は既に届いており、後に宅建協会の支部の方から今後の指示があるはずなので、連絡があるまで待ってほしいとの事でした。

 

郵便が届いたなら届いたと連絡して欲しいものです。担当者の方も色々な案件を抱えているで忘れていたのでしょうか。

 

本部に連絡してから2週間後、宅建協会支部から連絡がありました。内容として話し合いの日の都合の確認でした。特にその日程で問題ない事を伝えると、集合時間を言い渡され、通話を終えました。

 

宅建協会支部へ行く

集合時間の5分前に支部へ到着すると、相談員が2人、その向かい側の席に売主であるH不動産代表、仲介業者であるD不動産の宅建士Sが座っていました。

 

相談員はどちらも高齢で、推定70代後半くらいだと感じました。相談員は宅建協会の支部が自分の管轄している範囲の中の宅建業者から選抜されます。この人選は恐らく不動産業界に長く精通し、知識と経験が豊富である人材であると見込まれての事なのでしょう。

 

話し合いが始まると、相談員の一人が話始めました。

 

相談員「私が思うにですね。人と人とのいざこざには必ず妥協点があるはずなのです。私はそう信じています。」

 

と私と不動産業者に語り初め、30分程話は続きました。終始この相談員のご法説を聞くだけの話し合い?になってしまいそうな感じがしました。私としては損害の確認、保証範囲、売主と仲介業者の責任配分など具体的な話をするつもりで来たので拍子抜けしました。これでは来た意味がないので、少々強引に話に割り込み、宅建業法の解釈についてと屋根の状態、建築の専門家による見解、要求事項を述べました。

 

しかし私の話の内容を不動産業者が責任を完全に否定した為、その日の解決は出来そうもありません。そこでもう一人相談員の方から、「もう一度当事者同士だけで話し合って下さい」と指示をされます。

 

当事者同士での解決が出来なかった為に宅建協会を交えての解決を試みているのに全く理解不能な指示ですが、次の話し合いが決別した場合、直ちに宅建協会千葉本部に上申するという約束をもらい、私は当事者同士での話し合いに了承しました。

 

それでは話し合いの日程を決めよう提案しましたが、今後の予定を確認する必要があるので後で連絡すると売主、仲介業者から言われ、その日の話し合いは終了しました。

 

 

話し合い2日目

仲介業者の宅建士Sから連絡がありました。

 

宅建士S「相談員の方がもう一度、宅建協会の支部で話し合いをしたらどうでしょうと言っていますが、どうしましょうか?」

 

当事者同士でもう一度話し合いをして下さいと指示していたのに、ここで手のひら返しです。私は別にどこでも構わなかったので支部での話し合いに了承しました。

 

当日、また私は集合時間の5分前に到着。前回と全く同じ席順で、今回はご説法をする相談員の方はいません。

 

私は前回の話し合いでの不動産業者の責任の完全否定は遵法精神を欠いた問題発言であると感じたので、今回はしっかりとビデオ撮影しようとカメラのセッティングをしました。すると

 

売主「ふざけないでくださいよ!カメラの必要はないでしょう!こういうのは男らしく、堂々とやりましょうよ!!」

 

いきなり語気を強め、カメラ撮影を中止させようとしました。しかし私も引き下がる訳にはいきません。

 

私「男らしくと言うのであれば、撮影したって構わないのではないですか?男に二言はないでしょう?男らしく堂々とやりましょう」

 

売主「…」

 

こうして撮影を開始しました。

 

私「土地建物売買契約書の瑕疵担保免責という記述は無効です。これは何も私が勝手に騒いでいるものではありません。あなた方を千葉県で宅建業をする事を許可した千葉県の不動産課に問い合わせて得た回答です。この事実についてどうお考えですか?」

 

宅建士S「だから~瑕疵免責以外にも“現状渡し”って書いてありますよね?我々に責任はありません。」

 

私「現状渡しで我々は責任を負いません。という事は、事実上の瑕疵担保免責という意味ですよね?」

 

宅建士S「だから~現状渡しなんです。」

 

想定通りの水掛け論です。これ以上話し合っても無駄です。なので私は自分で用意した新証拠写真を提示しました。

 

私「売主は購入以前に私に対して“屋根はペンキを塗ったから大丈夫だ”と仰っていました。この画像ではトタンの下の部分にもペンキが付いています。という事は売主がペンキを塗った段階で既に屋根に穴が開いており、相当に傷んだ状態を隠蔽する為にペンキを塗ったという事ではないでしょうか。そうであれば相当に悪質ではないでしょうか?」

 

売主「あんたね!?私はあの物件は外国人に貸し出す予定だったんですよ。それをあんたに格安で売ったんです。しかも私の不動産人生で3番目に安い物件なんですよ!?それを直せっておかしいでしょう!?」

 

私「おかしくありません。法律上の責任があります。あなたも屋根の現状を確認しに来た時、売主としての一定の責任は認めましたよね?」

 

売主「責任はありませんから!!」

 

私「宅建業法上の責任は昨日今日で消えたりしたりするものなのですか?」

 

売主「責任はないっ!!」

 

売主は顔を真っ赤にして声を荒らげ、かなり興奮して私に訴えかけてきました。

 

売主「それとね。今後は代理人を立てますから!!以降はこの弁護士に行って下さい。」

 

外国人に貸し出す話も、不動産人生で3番目に安い物件であったという情報も今回の瑕疵担保責任に全く関係のない話です。それに自分の取引が正当なものであったのであれば、弁護士など使わず自分の理論、法解釈で議論が出来るはずです。これで売主、仲介業者の遵法精神の欠落、論理的な議論が出来ない事が良く分かりました。

 

約15分ほどの話し合いでしたが話し合いは進展せず結局、宅建協会千葉県本部へ上申される事となりました。

 

支部での話し合いで感じた事

宅建協会での最初の解決手段である支部での話し合いは、あまり意味がありません。相談員は本当にただの相談役であり何の決定力もありません。相談員はだの不動産屋さんなので不動産紛争の専門的な知識はほぼない様に感じました。なので出来る事と言えば「まぁまぁお二人さん、落ち着て話し合いましょう」と言う位です。今回の様に売主、仲介業者が理論的な議論が出来ない場合は、形式的な話し合いを行った後、直ちに都道府県本部に上申した方が時間も労力も削減出来て効率的です。

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