薪割り機のパワーが弱くなった時の修理方法

薪割り機を長年使っていると、新品で買った時よりもパワーが落ちたな…と感じるようになってきます。

 

そろそろ買い替え時期なのかもしれないと考えても、薪割り機は安いものではありませんから出来れば修理して使いたいと思いますよね。

 

私の薪割り機もパワーがなくなってしまいました。

 

しかしガスケット交換をしてみたらパワーが復活したので、整備方法をこの記事で紹介したいと思います。

 

他の機種の薪割り機でも家庭用100V薪割り機は、大体全部同じような構造をしているので参考になるかと思います。

 

 

整備方法

コントロールバルブボディ側のナットを外します。

内側にも奥まった場所にナットがあって、普通サイズのソケットでは回しにくいでのでディープソケットがあると便利です。

 

 

コントロールレバーを外します。レバー自体がネジになっているので回せば取れます。裏側にイモネジもあるのでそちらを緩めれば、レバーの付け根部分が外れます。

レバー付け根はコイル状のスプリングが入っています。

 

 

コントロールバルブボディと油圧ポンプを分離させます。ボルトで留まっているので外します。

 

 

これがコントロールバルブボディです。

薪割り機のパワーが落ちるのは、大体このガスケットの劣化が原因です。このガスケットが油圧を保持できなくなって、結果的にパワーが落ちているのです。メーカーから取り寄せるか、同じサイズのものに交換しましょう。

 

溝にはまったOリングは取り出しにくいので、ピックツールを使うと大変便利です。

 

 

シリンダーを引っこ抜きます。

穴が見えるとおもいますが、ピストンがこの位置まで移動すると、油圧がこの穴から逃げる仕組みです。ですので組みつける時、逆方向で差し込むとシリンダーの移動距離が短くなるので注意が必要です。

 

シリンダー抜かなくても作業できますが、シリンダーを先にコントロールバルブボディに取り付けてから、本体と結合させた方が楽に作業出来るので外してしまいましょう。

 

 

ボルト6本外して油圧ポンプを分解します。

 

 

ガスケットを交換します。

歯車部分には回り止めが付いていて、小さい部品なので無くさないように注意しましょう。

 

 

ガスケットを換えたら組み立てます。

 

 

油圧ポンプを組み立てたら、一度作動チェックしてみる事をオススメします。全部組み終わって、いざ薪を割る時にモーターが駆動しなかったり、油圧がかからなかった時は悲しいですからね。事前に動作確認しましょう。

 

 

油圧ポンプの動作確認方法

スポイトで油圧ポンプにオイルを入れます。

 

 

油圧オイルが勢い良く飛び出てきたら油圧ポンプの組み立ては成功したという事になります。

動作確認した時、結構な確率でモーターから音はするけど回らない場合があります。それはボルトの締め付け過ぎなので、対処法としては

 

ボルトを緩める

モーターを回してみる

もう一度ボルトを締め付ける

モーターが回るか確認する

 

これで大部分は解決するかと思います。

 

 

 

コントロールバルブボディと油圧ポンプの間にもガスケットがあるので新品に交換しましょう。

 

 

コントロールバルブボディとシリンダーを結合させます。そしてそのままシリンダーにピストンを差し込みます。

 

 

本体とピストンのロッドと本体の間に少し隙間を作ってあげます。こうしないとコントロールバルブボディにナットを取り付ける事が出来ません。

 

 

液体ガスケットを前後ボディに塗ります。

耐油性の液体ガスケットであれば何でも良いと思います。ここで使っているのはハイロマーブルーです。

 

 

ハイロマーブルーは硬化後もネバネバして次に分解する時、剥がしにくいです。

 

オススメはホルツの液体ガスケットです。これは硬化後はネバネバしないし、次回分解する時も綺麗に剥がれてくれます。色味も茶色っぽくて赤色系の薪割り機の色とマッチします。

 

 

後は分解した逆順に組み立て、最後に油圧オイルを本体に入れて終了です。油圧オイルは22~46番の物であれば何でも良いです。私は間を取って32番の油圧オイルを使っています。

オイルの量は使う機種によって若干違いますが、家庭用薪割り機は4Lもあれば十分足りると思います。

 

 

分解整備の様子は動画にもしていますので、是非こちらもご覧ください。

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8件のフィードバック

  1. C-Life より:

    はじめまして、同じまき割り機を使っています。ガスケットはどこから入手されましたか。Monotaroなどでオイルシール1本から通販できるのでサイズがわかればうれしいです。

    • lcdr_coconut より:

      こんにちは。オーリングは販売元から取り寄せました。シリンダーのOリングのサイズは説明書通り55×3.1ですが、私がモノタロウで探した時は同じサイズは無かったと思います。Oリングは1mm違うと全く入らないので、同サイズをお買い求め下さい。

      ポンプとコントロールバルブボディの間のOリングは16×2.4です。

  2. puku8182 より:

    興味深く読ませてもらいました、7トンの電動薪割り機で20年前に買ったものですが(turbo7というイタリア製)この頃本体の先端部のピストンの隙間から外部へのオイル漏れが酷くなり修理を思い立ち販売元からオイルシールなどを取り寄せたのですが本体の後部のコントロールバルブがあるアルミ製の蓋が四本の長いボルトを止めているナットを外しコントロールバルブのネジも外しましたが固着しているのか取れなくて作業を中断してます。先端部側は蓋が外れてピストンを引き出すことはできたのですがシリンダーが後部のコントロールバルブASSYの機構部にはまっているらしいのですが固着していて外れません。ここが外せないとにっちもさっちも次の段階に作業が進めないようです。機種も違うので或いは見当違いの質問かもしれませんが何かヒントになるようなことがあればご教示頂ければ幸いです。うまく状況を説明できてないのですがよろしくお願いいたします。

    • lcdr_coconut より:

      アルミ製の蓋がどんな感じの物か分かりませんが、プラスチックハンマーなどでコツコツ叩いてみると良いかもしれません。衝撃を与えると取れやすくなると思います。アルミ製とのことなので割れないように慎重に叩いて下さいね。

  3. jj@kyoto より:

     動画とブログを参考にして、4トンの古い薪割り機を分解、清掃しましたら、あら不思議、力が戻りました。パッキンを販売元に問い合わせたのですが、かなり古いのでないと言われました。市販のゴムパッキングが合うだろうと分解しましたが、ポンプの部分のパッキングは、ずいぶん細い物で市販品にはありませんでした。でも、それなりの弾性があったので、そのまま使いましたが、結局、ポンプ部の分解、清掃だけで力が元に戻りました。
     諦めかけていたのですが、再び使えるようになって感激です。ありがとうございました。

    • lcdr_coconut より:

      当ブログがお役に立てたようで嬉しい限りです。今後とも薪割り機をメンテナンスして長くお使い頂ければと思います。

      • tuchihiro2000 より:

        はじめまして 教えてください
        油圧ポンプ内の細いOリングのサイズが分かりません?
        修理の段階で困っています。
        よろしくお願いします

  4. 土屋 より:

    はじめまして
    油圧ポンプの細いOリングの規格が分かりません 教えていただけないでしょうか?
    よろしくお願いします。

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