【不動産奮闘記8】またいきなりやってきた。
話の通じないT弁護士と電話で話した翌朝、一台の車が家の前に停まりました。
車から降りて家の周りをうろうろしています。売主業者であるH不動産の御一行が来たのでしょう。
また何の連絡もなく家にやってきました。H不動産の社長はアポイントメントという概念を知っているのでしょうか?以前、口頭で注意したにもかかわらず、また同じことをしています。学習しないというか、そもそも必要性を理解しないのか私には分かりません。
とにかく、こちらから出向く事はしません。チャイムを鳴らされても門前払いをすると決めました。
ドア「ガチャガチャッ!!」
私 (;゚д゚)!!
チャイムどころかノックもありません。いきなりドアを開けようとしてきました。幸い私はドアの鍵は常に閉めているので、浸入される事はありませんでした。
確かにこの家は購入以前、チャイムはついていませんでした。私が後から付けましたが、いきなりドアを開けようとするのは不躾を通り越して恐怖でしかありません。
ドアを開けようとしてチャイムの存在に気付いたのか、チャイムを鳴らしました。
ピンポーン
私「はい。なんでしょう?」
ドアを開けると、H不動産の社長と作業着を着た60代くらいの男性が立っていました。
H不動産「屋根の修理の見積もりにきました。業者に見せてもいいですよね?」
私はてっきり弁護士同伴で来るものと思っていたのであっけにとられました。門前払いするつもりではありましたが業者を同伴させてきたので、屋根の状態確認をすることは許可しました。
H不動産「今回は屋根をちゃんと業者に修理させるつもりで来ました。あなたの選んだ業者じゃなくてウチで世話になっているT工務店さんに工事をやって貰いますから」
昨日の弁護士との会話の内容とは逆転して、屋根の補修を申し出てきました。宅建協会の支部での話し合いでは「今後一切の事は弁護士に一任しますから!!」と啖呵を切った割には、ずいぶんとご本人が出しゃばってきます。昨日の弁護士と話した内容とは全く違うので、H不動産と弁護士ほとんど連携してないように感じます。弁護士を雇った理由はなんなのでしょうか。
H不動産「あなたと私とじゃ孫とおじいちゃんくらいの年の差じゃないですか?そんな孫みないな人と争ったってしょうがないなぁと私も思ったんですよ。だからやれるだけの事はやってやろうじゃないかと」
不動産の瑕疵担保免責の履行に年齢など関係ありませんが、売主業者が屋根の修繕に前向きになった事は喜ばしい事です。そのまま話を聞きます。
H不動産「私はこの不動産を売った利益なんて10万そこそこなんです。その屋根を直すなんて大赤字ですよ?でも私が売る前に屋根の補修させた業者がいい加減な仕事をしたせいでこんな事になってしまったんです。そんな3流業者に仕事を任せてしまった私の責任でもあるんです。ですからやれる事はやってあげようと」
H不動産「宅建協会の役員が言ってましたよ。社長、本当に補修してやるんですか?って。こんな安く売って、大赤字じゃないですかって」
私「宅建協会の役員の方でお知り合いがいるんですか?」
H不動産「知ってるも何も全員知り合いですよ!私だって役員をやっていたんですから!」
どうやら都道府県宅建協会の役員は任期ごとの持ち回りらしいです。それに社長も長い事この業界にいる訳ですから相当に顔が利くそうです。
私「それでどうやって補修して頂けるのでしょうか?」
T工務店「カバー工法という屋根の上に屋根を葺く工法でやらせて頂きたいと思っています」
なるほど、カバー工法であればしっかり雨漏りも防げて施工費用も安いです。葺き替えてしまうと施工費用が家の購入金額ほどの料金になるので、良い妥協点かもしれません。
私「カバー工法ですと、今より屋根が重くなりますよね?この家はプレハブ工法で作られたものですけど、この躯体強度で屋根の重みに耐えられるのですか?」
T工務店「大丈夫だと思いますよ」
私「構造計算はするのですか?」
T工務店「構造計算計算はしませんが、我々の経験上大丈夫だと思います」
私「なるほど、経験上ですか。了解しました。今回はとりあえず見積もりの作成をして頂きたいと思います。施工方法に関しては私がお世話になっている屋根業者さんと相談していきたいと思います」
その後、T工務店は屋根に登ったり、家の内側から屋根を確認する事もなく下から見える範囲をサラっと見てH不動産の社長と帰っていきました。
後日見積書をもってくるそうなので、その内容を確認して今後の対応を決めていきたいと思います。
今回のH不動産の社長との会話で感じた事は、宅建協会はやはり仲間内に甘いという事です。消費者保護を謳っていますが、所詮中の人は同業者です。宅建協会県本部の事情聴取会に参加した時にも感じましたが、法律を厳格に守って消費者を保護しようという気概はあまりないような印象を持ちました。あくまで仲裁役という立場の様です。